茶療

ダイエットと熟成プーアル茶

熟成プーアル茶とは、数年かけてプーアル茶葉を発酵させたものです。

中国では10年かけて発酵した熟成プーアル茶は中医薬にも匹敵すると言われ、中国中医業界では“神約”とまで言われているお茶です。

プーアル茶は近年日本と中国でもダイエット茶として取り上げられていて、過去にダイエット目的で食事と一緒に飲んでいた方もいるかと思います。

中医茶療のダイエットでもプーアル茶が適していると言われていますが、やはりここでもしっかり発酵された熟成プーアルを飲むこと、と強調されています。

プーアル茶は発酵茶です。

そのため長い年月をかけて発酵されることが作られる工程において大事で、年月をかけて発酵したはプーアル茶は中医薬にも効果が匹敵する“神薬”の効果を発揮してくれることでも有名です。

前回は冬の養生でのプーアル茶について解説をしました。

今回は前回の内容も踏まえながら〈プーアル茶でダイエット〉にスポットを当てて、その解説と飲み方について書いていきたいと思います。

プーアル茶がダイエットに良い理由

私たちが食事で食べている米、パン、麺といった主食は炭水化物であり糖分が多く含まれています。

私たちの食事も気をつけていないと糖分の多いものになってしまいます。

糖分は食事で食べた後に消化されると身体の体液や血液に吸収されるもの体外に排泄されるものに分かれます。

身体が健康でこのような循環が良好であれば特に問題はないです。

しかし、身体の代謝や消化器が弱ってしまっている場合、食べたものが後々身体の中に脂肪として蓄積されてしまう傾向があります。

特に脾・胃が冷えて力が弱まっていると余分なものを腸に送り出して老廃物として体外に排出することができず、体内に蓄積されてしまいます。これが脂肪となってしまうのです。

逆に代謝が良くて脾・胃の消化が良好だと栄養素で余分なものは腸に送られて便・尿として体外に排出されることができます。

つまり、身体に冷えがなくて温まっている状態、そして脾胃にダメージが無く温まっていると身体の代謝・脾胃の機能が十分に発揮されて脂肪が蓄積されにくい、余分なものがすぐに排出される太らない身体を作ることができるのです。

このような背景から、中医茶療ではプーアル茶は脾・胃を温めて補気してくれるため、余分な栄養素を消化・腸に送り出す働きを助けてくれると言われています。

前回の記事でも説明をしましたが、熟成プーアル茶はお腹から身体を温める、脾・胃を温める、通便作用を良くする働きがあり、食物の栄養吸収・排泄を良い循環にしてくれます。

長期間飲むことで便秘を改善することもできるので、中医診療所では中医師の養生指導で「熟成プーアル茶を飲んでください」と診察場面で患者に言われる場面も多々見られました。

身体・消化器を温める、通便作用を良くしてくれる点から熟成プーアル茶は身体を養生しながらダイエットすることに打ってつけなのです。

ダイエットとしてのプーアル茶の飲み方

ダイエットの飲み方として中医茶療では毎日決まった時間に一定量を飲むことが要求されます。

1日だけ多めに飲んだり、何日かおきに飲んでも身体を温めてダイエットに繋げることはできないのです。

一定量とは、1日2回。だいだい1回に5gほどの茶葉のプーアル茶を入れて飲むと良いと言われています。

この1日2回のタイミングとは、茶療では食後30~45分以内がベストだとされています。

食後30~45分が良いと言われる理由は、食べた後の食物の栄養吸収時間に関連をしています。

カギとなるのは小腸の栄養吸収のタイミングです。

食べたものは胃・脾で消化され、小腸に送られます。

小腸は消化されたものから養分を吸収する所で食事をした30~45分経ったあたりに養分の吸収が活発となります。

この小腸の養分吸収の時を狙って、熟成プーアル茶を飲むと小腸がお茶の成分を十分に吸収してくれるのです。

これが食事と一緒にプーアル茶を飲んでしまうと食事の栄養と混ざってお茶の成分が小腸で充分に吸収されないこと、そして食後1時間半~2時間経過してしまうと小腸の栄養吸収が強くない為ダイエットの効果は得られにくい、と言われています。

食事をして、食べたものが小腸で吸収される時を狙ってプーアル茶を飲むことを習慣にするのが茶療のダイエットにとって最も良い方法です。

高脂血症に熟成プーアル茶

また、中国茶療ではこのような報告もあります。

太り気味の体質で健康診断の結果が高脂血症が多くなってしまった方は熟成プーアルを食後30~45分の間に飲むことを習慣にすると、3か月後には高脂血症の値が低くなり標準値に戻りやすい、という報告です。

この背景には、上記の方法で食後にプーアル茶を飲みづけることで身体が温まり、代謝が良くなることで血管に溜まっている脂類を浄化する作用が強くなる為だと言われています。

最近は中国中医では10年以上発酵された熟成プーアル茶は血管の血栓予防となることが分かり、中高年に養生として勧められています。

そのため、中高年が見る中国の健康番組でも活発に熟成プーアル茶が紹介されています。

私自身も中医学大学の教授から「熟成プーアル茶を飲む習慣をつけると神秘的な作用を体験することができる」と教えられたことがあります。

この神秘的な体験とは、健康診断の結果が悪かったが、数か月後に標準値になるような身体が内側から健康になる体験だと思っています。

ちなみにやはり熟成のものでないと神秘的な作用は体感できないようです。

日本で売られている普通のプーアル茶葉は発酵が短期間なようで、ダイエット効果は熟成のものより劣ってしまうようです。

アマゾン・楽天で「熟成プーアル茶」と検索すると餅状の熟成プーアル茶が出てきますので、お茶でダイエットをお考えの方はぜひお試し下さい。

値段は比較的高いですが、餅状で茶葉の量が多いので1つ購入すれば3ヶ月は継続して飲むことができます。

ABOUT ME
中医セラピスト・伊藤
中医セラピスト・伊藤
作業療法士として脳外科のリハビリテーションに携わった後、中国に渡り中西医結合医療現場にて渡航医療のリハビリテーションに携わってきました。この経験をきっかけに中医科に興味を持ち、 広州市の邦里国際医療団に所属。中医師助手として老中医師から中医基礎・臨床を教わってきました。 5年間中国で経験を積ませてもらい、現在は栃木県宇都宮市で中医関連の仕事をしています。 本場中国で教わってきた脈診、陰陽五行理論を使った経絡治療を得意としています。 ブログは中国でお世話になった方々の支援を得ながら書かせていただいています。