運動はストレス発散に最適な方法と言われています。
現代人にストレスを多く感じていることが多いのは運動不足が原因とも言われており、昨今ではリモートワークの合間に運動を勧める情報も増えてきました。
毎日20~30分運動をしている人はしていない人よりストレスが軽減しているデータもあり、今回は適度な運動で汗をかくことでどのようなことが起こっているかを書いていきたいと思います。
かなり掘りこんだ内容で中医の観点から分析して書いていきましたので、運動して汗をかくことでどのような現象が皮膚上で起きているのか知っていただければと思います。
皮膚 汗と気が出るところ
汗と気が出入りする所は東洋医学で腠理(そうり)といいます。
腠理とは、皮膚と筋肉・皮下組織の間の部分のことで、外邪の侵入に抵抗する働きを持ってます。
東洋医学では腠理から気が出ていて、衛気となって身体を邪から守ってくれています。
この衛気は人の周りを取り囲んでいる気でスピリチュアル部門ではオーラと表現されます。
また、腠理は東洋医学では気の出入りするところとなっていますが、西洋医学では汗腺と表現されています。
この2つには関連性があるようです。
運動をすると身体が熱くなって汗をかきます。腠理から汗が出ると気も皮膚表層から外へ発散されます。
この腠理から汗・気が出ることによって…
・衛気が強いバリアとなって邪が付着しようとするのを防ぐ、外から邪が入りにくくなる。
・気と一緒に身体の奥底に潜んでいる邪も表層にだしてくれる。
といったことが起きています。
邪とは何か?
邪とは病気の原因となるものです。
例えば寒い季節に直接皮膚が寒い風にあたると風寒の邪気が皮膚から腠理に入り経絡(気の通り道)に侵入します。
これが排出されない、免疫力である正気が勝たなければ風邪になってしまいます。
これが外から入ってくる邪の1種です。
次に内側から産生される邪ですが、自分のネガティブな感情に囚われたり、ストレスでも産生されやすくなります。
この邪が身体の内にあると頭がごちゃごちゃうるさくなる、感情がネガティブになる、そればかり考えることにエネルギーを使って気虚になってしまいます。
この感情がいきすぎてしまうと邪となり、外からも同じ気質の邪を引き寄せてしまうのです。
前述した通り邪は病因となるものなので体内に入ると正気(免疫力、病気と闘う気)そして経絡、内臓をも傷つけてしまいます。
それに対し中医の治療は皮膚表面に邪が要る時は解表薬を使用して汗をかかせるようにし、皮膚表層にいる邪を払います。また、経絡では気を表面に集めて発散させるといった方法がとられます。
上記の中医治療と同じ原理で運動をして汗をかく、ということは皮膚表層にいる邪を排出させることにもつながるのです。
要は汗と一緒に気を発散させて体内の邪を出し、更に身体を守る衛気・バリアを強くするのです。
この衛気の強力なバリアは邪が入ってくるこないように、身体を守る役割があります。
ちなみにこの衛気、充実すると皮膚を潤沢にしてくれます。
運動すると身体の内側にも外側にも良い効果をもたらせてくれます。
注意点
注意点として運動をしすぎて汗をかきすぎてしまうと、体内の気も大量に身体の外に発散されてしまいます。
これでは逆効果で体内の気がなくなってしまい、気虚となってしまいます。
気虚になってしまうと正気・身体防衛力は弱くなってしまうのはもちろん、疲れやすくなる、冷え性になる等活力がなくなってしまいます。
また、疲れやすい、元気が無いときには無理に運動をするのは既に気虚の状態ですので控えてください。
身体のエネルギーが少ない時に運動をすると更に気虚となり、余計疲労がたまってしまいます。
迷った時は舌に歯型がついて大きくなってしまっていた時は気虚状態ですので運動でエネルギー発散をするのは避けた方が良いです。
寒い季節は身体を温めてくれる陽気を温存することが養生の鉄則です。
汗のかきすぎや疲労時の無理な運動は冷え性や免疫力の低下、疲れが取れないといった事にもつながってしまいます。要注意です。
秋~寒い時期の運動についてはジワっと汗をかく程度の運動でとどめておくと良いです。その詳細は下記の記事書かれていますので参考にどうぞ!