すっかり気温が下がり、風が冷たくなってきました。
今日10月25日は二十四節気でいうと霜降(そうこう)霜が降りてくる時期となります。
関東も木枯らしが吹くようになり、いよいよ防寒の季節となってきました。
この頃に吹く風は秋に属する「金」の要素を含んでいます。
金は刃物であり万物の生長を止める殺の要素を含んでいるため、秋に吹く木枯らしは精気を削ぐ要素を含んだ風と、いうことになります。
冬に風邪にならないための中国・秋の養生習慣
中国広州市に住んでいた時の話ですが、秋も深まり気温が下がってくると皆厚着をするようになります。
中国で初めて秋を迎えたころ、娘が幼稚園児だったのでいつもの感覚でスカート、ハイソックスの服装で園に行ったら中国人の先生方に「膝の肌がでている!肌出したら冷えるでしょ!何故スパッツを履いてこない!?」と、こっぴどく叱られたことがありました。「家に一回戻ってスパッツがズボンを持ってきて!」と家に戻らされた記憶があります。
この時は日本の感覚でしたので、中国の「養生」習慣が分からず「??」でしたが中国人の友人に聞くと
「寒くなってきたら服装を肌が直接出ないように、風に当てないようにするんだよ。寒い風に当たったら身体の陽気が傷つくよ。常識だよ。」と言われました。
挙句の果てに「日本人は薄着だよね。暖房ばかりに頼っちゃだめだよ、身体が季節に適応しなくなるから」とも言われました。
中国の習慣は秋になると肌を直接出す服装はしないで防寒に努めます。また、暖房も使用頻度は最低限です。
この対応は服をたくさん着こんで秋の寒さから身体を守る。暖房に頼らずに肺を外気の寒さ・乾燥に慣れさせていくことが目的です。
身体を強くするためには外の気候環境に身体を慣れさせることも大事です。
五臓の中で直接外と接する部分は呼吸を主る肺です。
秋の乾燥した寒い空気は肺にとってダメージを与えるものです。乾咳、咽喉の乾燥などの症状が現れてしまいます。
我々日本人は暖房にすぐ頼ってしまう環境にあります。しかし、家の中の環境が温かく快適で外の環境と差がある場合、身体にダメージを与えやすくなる・風邪をひきやすくなる状態になりやすくなってしまいます。
秋は防寒に努めることが大事
つまり、秋の身体に身体を適応させる方法は
・暖房を最低限に使用する
・身体の防寒に努める
この2点となります。冒頭でも書きましたがこの時期吹く風は「殺」の要素を含み皮膚から体温を奪っていってしまいます。
これから寒さが深まる冬には腎陽いわゆるエネルギーを温存しておかなければなりません。
皮膚から身体が冷えてしまった場合、身体は冷えた部分を温めるのに多くの陽気、エネルギーを必要とします。このエネルギーを使い切ってしまえば寒邪が入りやすくなり風邪をひきやすい身体となってしまいます。
皆様も養生習慣を上手く取り入れて、これから寒くなる季節に風邪にもコロナにもかかりにくい身体を作っていって下さい。