前回、「精、気、神」について書きました。
「精、気、神」は人の三宝と言われ、人体の生命維持活動に重要なものです。
これもやはり道教思想から来ています。
道教は仙人になることを目指した修行・考え方をする中国古代宗教です。
人を超越した仙人「不老不死」を目標としています。
ざっくりと「不老不死」と言っていますが、道教を学んでいると
無理をしない、病気にならない、心が病まない、外邪を自分の中に入れない養生方法が書かれています。
この仙人になる養生方法で重要視されるのが三宝「精、気、神」です。
では、病気になりにくい、外邪を入りにくくする身体とはどう作ればいいのでしょうか?
古代養生では「神」が健康で病気になりにくい身体を作るには重要と強調しています。
「神」とは、ざっくりですが自分の心と捉えて下さい。
精、気、神の養生は心を静かにして雑念を払い、喜びを感じ、心の純粋さを保つ生き方をすることが「神」の消耗を抑え心も体も守ることが出来る、とあります。
歴代の養生家は健康や病気にならない身体を作るために心の在り方、作り方を主張してきました。
楽観的な生き方で精神を安定させることが病気にならない身体を作る養生の重要な方法です。
そのため、養生には心を静にしていて、ゆったりと休養して健康を保つことが病気を防ぐ、と主張します。
ただ、それには何が起こっても動揺しない強い心を作る必要性があります。
複雑な人間関係から身を守る、溢れている情報の中から良い情報を選択も心を守る上で大事なことです。
忙しい現代は自分に余裕がなく、このような生き方ができないのも現状です。
しかし、精神・心を鍛えることが、外邪が入ってこれない最強の生き方となるのです。
とは言っても忙しい現代人何で鍛錬をすれば良いのでしょうか?
仏教のお坊さんには
「何か1つを極めることを目標にして鍛錬していきなさい。そうすれば精神レベルが上がってきます」
道教の道師さんには
「何事も楽観的に考えて深く考えてはダメだよ。起こることは必然だから1つ1つ楽観的に乗り越えていきなさい」
と教えをいただきました。
なかなか難しい……。
私もまだまだ修行途中でございます。
常に楽観的で心に余裕のある生き方をしたいものです。
その精神レベルまで達するまで、もう少し苦労をしてみたいと思います。