経絡

経絡整体について

私の施術は中医学の経絡理論を通して整体をさせていただいています。

経絡とは、身体の気血を通る通路のことです。

ツボは皆さん言葉はご存じだと思いますが、ツボは経絡上の気血を通る駅だと言われていています。

この気血の決まった通り道(経絡)駅(ツボ)と駅(ツボ)状態を把握して繋げることで身体の気・血・水の状態を整えるのが私の経絡整体の手技です。

私の得意とする分野は、日々のストレスの蓄積感情の処理が上手くできない為、体調不良になっている方の身体のケアを得意としています。

皆さんはストレスの蓄積や感情の処理が上手くできずに身体・心に影響が出たことはないでしょうか?

恐らく過去に何かしら症状を感じたことがあるかと思います。

頭痛、肩こり、腰痛、不眠、咽喉がつっかえる、集中ができない、気持ちが焦ってしまう、不安になってしまう、イライラしてしまう、などなど。

身体に現れる症状が上記の場合だと、特に病院に行っても診断名もつかず「何か調子悪いなぁ」で済ませている方が多いと思います。

このような症状は西洋医学では不定愁訴と分類されています。

中医では不定愁訴と一般的に言われる状態の身体の分析方法が確立されているのが特徴です。

しっかり状態を把握した上で、治療をすることで病気の根をつみとる・病気に発展させる前に治すことを「未病」と中医学では表現され、「未病」に基づいたケアを私自身中国の中医師に従事し学んできました。

西洋医学よりも中医学は歴史が長く、古代から積み上げられてきた具体的な評価基準・治療法ができあがっているのが特徴です。

身体に蓄積されるストレス・感情にはパターンがある

では、日ごろの生活で溜まったストレス・感情ですが、身体の中に溜め込まれてしまうことはご存じでしょうか?

これには気の動きが関わってきているのですが、ストレスの種類・感情の分類によって身体に溜め込まれる場所にはパターンがあります。

これは下図のように中医学の基礎、陰陽五行説が関わっています。

感情の属性五情が五行にどのように関わっているかで気の流れが変化するので、熟練の中医専門家はそこを見極めて中医治療にあたります。

↑木・火・土・金・水の五行はそれぞれ属性が割当たっています。

私の手技はざっくり説明しますと、ストレス・感情の種類五情・五行に判別し、どこの内臓経絡にダメージを与えているか見極め、該当する内臓・経絡の気・血・水の流れを整える手技をとらせていただいています。

そのため、実際にお客様を整体する前には必ず問診脈診をして気・血・水の全体的な流れを見るようにしています。

脈診五臓六腑上焦・中焦・下焦の状態を把握することにも使うのですが、脈診をすると身体の気・血・水の流れが滞っている所を身体が具体的に教えてくれます。

出典:華夏文化大観

脈診を学んだことがある方はご存じかと思いますが、脈診はどうしても感覚的なものが強いです。

私は経絡治療と脈診を組み合わせて整体する経験を積んできたことで、何とか身体の声が聞こえるようになりました。

ここに至る過程には中国で従事させていただいた李老中医師の指導があってこそだと思っています。

ストレス・感情が蓄積される具体例

具体的に例を挙げます。

1,ストレスが溜まっている状態

脈が張り詰めたような脈「弦脈」で、筋肉も硬くなって凝り症状として現れている方が多いです。

特に仕事や人間関係のストレスは肝・胆経に現れやすい為、肝の部分の脈が弦脈であることが多いです。

ストレスが溜まっている男性サラリーマンは筋肉が硬くて肩こり・眼精疲労・腰痛・呼吸が浅い傾向の方が多く見受けられます。

女性は男性より筋の凝りとして現れない様ですが、瘀血症状として現れる傾向にあります。

瘀血とは、血液の流れが滞っている状態をいいます。

そのため女性は月経に現れてしまいます。PMS、生理痛など日本人女性は多い多い。

また、女性の身体は男性よりも冷えやすい傾向にあり、身体に冷えとしても現れやすくなっています。

生理痛がある方を脈診しますと大半が下半身に冷えを抱えている方が見受けられます。

女性・男性と若干ストレスの身体の現れ方が異なりますが、どちらも共通して出ている症状があります。

集中できない、考え事をしてしまって疲れる、といったことです。

これはストレスで気の流れが滞ってしまうことで、特に日本人は気が上焦に集中して流れが乱れてしまっている方が多いです。

上・中・下焦にまんべんなく気・血・水が巡っていれば良いのですが、筋の凝り・瘀血で血液・津液の流れは滞ってしまっています。

また、現代人の生活スタイルは身体を動かすより、頭を動かすことが多い為、気の流れが上焦・頭に集中してしまっています。

そのため、考え事が頭の中でループして抜け出せない状態になってしまいます。

このような状態の方は上・中・下焦の気・血・水の流れを均等にして、ストレスが身体から出ていくように経絡で出口を作る手技をとらせていただいています。

個人的な見解ですが、日本人は中国人よりも頭でっかちな印象があり、上火(のぼせ)になりやすい傾向があるように感じます。

2、感情の処理が上手くいっていない

不安・恐怖といった感情は腎経を中心とした下半身の筋肉に溜まりやすく、腰痛浮腫みなどを引き起こしてしまいます。

喜び・楽しさが度を超えてしまった方は筋肉の状態は緩いのですが、集中できすに刺激を求めてしまう傾向にあるようです。

このような状態だと気が上向きになり上火(のぼせ)状態となってしまうため整体で気・血・水の流れを下向きにさせて頭が冷静になるように流れを作ります。

怒りの感情は日本人の方々は表に出さないことが多いため、肝に蓄積されていることが多いです。

これは肝の疏泄(気のスムーズな流れ)が行き届かすに筋肉バリバリの状態です。

疏泄が良くなるように経絡の道筋を作って溜まっている怒りの感情を外に逃がすようにします。

経絡整体で大切にしていること

このような手技で当サロンではお客様に経絡整体を提供しています。

普段の生活で身体に溜まってしまった負のストレス・感情を、経絡を通して気の通り道の出口を作って出せるようにすると、皆さんスッキリした顔をして帰ってくれます。

このスッキリした、すがすがしい表情が私はとても好きで、お客さんの新たなスタートを応援するような気持ちになります。

私がお客様を見るにあたって大切にしている言葉があります。

狂毒自ら解けず、医王よく治す

空海 『秘蔵宝鑰』

これは空海の言葉です。

意味は、『はげしい毒は自分で消すことができない、医王(名医)だけが治療できる。』

ここでいう毒は身体に蓄積されたストレス・感情と思って下さい。

ストレス・度をいきすぎた感情は蓄積してしまうと、身体を蝕む病に発展してしまいます。

このストレス・感情の病気の根は中医学では「邪」「毒」と表現されています。

では、このストレス・感情を常に1人で処理できて健康を保てる人はどのぐらいいるでしょうか?

小さいストレス・感情でしたら処理は出来ますが、いきなり降りかかる大きいものでしたら…

恐らくよっぽど経験豊富な方でない限り、できる方は少ないと思います。

私たちはこの世で生きている限り、人生の壁に絶対にぶつかります。

壁を乗り越えようとする時、自分のストレス・負の感情と向き合わなくてはならないのです。

その時に1人で立ち向かうには冷静な判断力と戦略が必要になります。

私は医者ではありませんが、老中医師から中医学を学んできたセラピストとして人生の壁に立ち向かう人を身体からケアする立場になりたいと思っています。

壁を超える過程で自分のストレス・感情に負けそうな時に負を振り払って視界をクリアにするお手伝いができたら、と思っています。

ABOUT ME
中医セラピスト・伊藤
中医セラピスト・伊藤
作業療法士として脳外科のリハビリテーションに携わった後、中国に渡り中西医結合医療現場にて渡航医療のリハビリテーションに携わってきました。この経験をきっかけに中医科に興味を持ち、 広州市の邦里国際医療団に所属。中医師助手として老中医師から中医基礎・臨床を教わってきました。 5年間中国で経験を積ませてもらい、現在は栃木県宇都宮市で中医関連の仕事をしています。 本場中国で教わってきた脈診、陰陽五行理論を使った経絡治療を得意としています。 ブログは中国でお世話になった方々の支援を得ながら書かせていただいています。