秋も深まり、これから冬へと向かっていく時期となりました。
前回は秋の服装と身体を守る方法について書きました。今回は運動についてです。
身体を強くする上で運動は欠かすことはできないものです。
しかし、寒くなる秋後半と冬時期に汗をかいてガンガン運動するのは身体にとっては逆効果なのです。
寒い時期はエネルギーを消費せずに温存することが東洋医学、中医養生のキーワードとなります。
寒い時期の汗をガンガンかく運動は何故良くない?
人には陽気という身体を温める、活動をするエネルギーとなる気があります。
これは腎臓に貯蓄されているものなのですが、この陽気は秋・冬の寒い時期は消耗させないこと・温存することが風邪をひかない・病になりにくい身体を作るコツとなるのです。
運動で汗をたくさんかいた場合、出た汗の水分には陽気が含まれています。
つまり、汗をかけば体内の陽気も汗と一緒に発散されてしまうのです。
以前病院勤め時代、女性アスリートの身体のケアにも携わったことがありましたが年中トレーニングで汗をかくためか寒い時期に身体の冷えが激しく筋肉が強張ってしまうことがありました。彼女も身体の冷えが激しいことに気づいてくれて身体を温めるケアを治療プログラムに入れて対応したことがあります。
寒にふれたり、過労して発汗し陽気をたびたび逃したりすると、冬の主役である腎の臓が傷害されて発病する。たとえすぐ発病しなくても、春になるとこれが原因となって手足が萎えて冷える病となる。これは冬にうけた傷害が元になって、春の発生の気力が減少した結果、病が表面に出てくるのだ。
「黄帝内経」より引用
大量の汗や身体が冷えた状態が続いてしまうと、陽気の消耗が激しいものとなってしまいます。
このような習慣が女性の悩みでもある冷え性を招いてしまう原因となるのです。
冷え性を防ぐためには冬時期の陽気のエネルギー温存ができていることが大事なのです。
内臓の水分を出す程度の運動
では運動の程度はどのぐらいが良いのかと言うと…
中医ではジワっと汗をかく程度が良いとされています。皮膚表面がジトっと湿る程度の運動です。
このジトっとした、かきはじめの汗は内臓に溜まっている水分が表面に出てきているものです。
この内臓の余分な水分を出す程度に運動するのが陽気を損傷しない運動の程度です。
軽く汗をかく程度のウォーキング、筋トレが適するかと思います。
1年中、冷え性で悩んでいる方は特に気を付けてみて下さい。
ちなみに私はジワっと汗程度の筋トレを習慣としています。
腹筋が割れればかっこいいのですが、まだまだのようです……。