午の時間帯は昼の11時~13時にあたります。
心経の気が最も旺盛になる時で、心の気は血液の運行を促進する働きがあります。
お昼の時間帯で太陽の位置も高く、陽気が極まる時でもあります。
しかし、陽気が極まるから身体・頭もどんどん動かしたら良いのか?というと、そうではないのです。
午の時間帯は陰陽の気が転換される時間帯で“混沌”とも表現されます。
この時間帯の養生のキーワードは陰陽の転換期であるため休憩をいかに取るかです。
休憩を取るか・取らないかによって夜までエネルギーを充実させることができるか左右されます。
では、午の時間帯に何が起こっているのか解説していきます。
午の時間帯
午の時間帯はお昼時に当たり、太陽が最も高い位置にあるため地面に降り注ぐ日の光が強い時です。
中医でも一日の中で最も陽気が充実している時で“充盛時”とも言われています。
十二経絡の中でも心経の気が旺盛となる時で、十二時辰の中でも心を養うことに最適な時間となるのが午の時間帯です。
中医理論では自然界・人体は陰陽の2つの気が動いていることを基本としますが、午の時はこの陰陽の気の重要な節点を指します。
午の時間帯は自然界・天地の陰陽が混ざり合う転換点です。
中医養生では陰陽の気の転換地点であり、“混沌”の時とも表現されます。
身体の気の縦・横の流れが交差してぶつかり合う時だからです。
陰陽の気の相交が起きているので、陰陽の気の転換の邪魔をしないように気血を乱す行動はしないことが大事です。
気血を乱すとは、激しく動く・緊張を高めてしまう等といった行動です。
気の転換点に気血の動きを乱してしまう行動をしてしまうと、身体に負担をかけてしまいます。
午の時間帯は身体を休ませる
午の時間帯は陽気は頂点に達し、下降していく時です。
そのため、陰気が生まれ陰陽の相交が生じます。
この混沌とした時に最も最適なことは30分ほど身体を休ませることです。
この時間帯は休憩を取るのに最も良い時であり、昼寝をするのが適しています。
自然界の陽気は朝~午前帯にずっと上がっていく段階・過程を踏んできています。
そのため、大半の人が朝起きてから午前中活動をしてきていると思います。
最近の研究ではお昼時に睡眠をとるとその後、集中力が上がることが証明されています。
中医養生では、昼寝時間が取れない場合でも目を少しの間目を閉じてリラックスして、脳と目を休ませるようにすることを勧めています。
昼寝のコツ
大半の方はお昼時に昼食を食べる方が多いと思います。
では、昼寝の時間ですが昼食を食べた後にするの?と思われますが、中医養生では先に昼寝をして、その後に昼食を食べるのが良いと言われています。
昼食を食べてすぐ昼寝をする習慣をつけると、食べたの物の消化が胃に影響してしまいます。
食べた物が食道に逆流してしまう逆流性食道炎です。
また、ダイエットを心掛けている方は食べてすぐ昼寝をすることでエネルギー消費が少なくなる為、脂肪の蓄積にも繋がってしまいます。
この2点が中医養生で先に昼寝をしてから昼食を食べることを勧めている理由です。
午の時間帯の注意点
午の時間帯には2点の注意してほしい習慣があります。
1,コーヒーや酒等、神経を興奮させてしまう飲み物は飲まない方が良い。
2,激しい運動をしてはいけない
この2点です。
前述の通り午の時間帯は陰陽の転換点であり、気の相交が生じています。
身体の陰陽の気が混沌としている時に神経を興奮させる飲み物を摂る、激しく動いてしまうと気・血の走行が乱れて身体に負担がかかってしまいます。
気の乱れを生じさせないためにも、身体を休ませてリラックスした状態で気・血が巡るようにするのが良いです。
心がけてほしい小さな習慣
このように昼食を摂って休憩をするのに適した時間ですが、更に気血を充実させる養生習慣をお伝えします。
1,深呼吸をする
深呼吸は肺の呼吸を通して身体の気の換気、酸素を身体に多く取り入れてくれます。
午の時間帯は血の運行が促進される時でもあるので、深呼吸をすることで全身の機能を促進することにも繋がります。
肺の代謝も上がってくれるので、身体の老廃物を体外に排出するデトックス効果もあります。
新鮮な空気を取り入れるためにもリラックスして深呼吸をしてみて下さい。
午前中、仕事や勉強で溜まった緊張もリセットすることができます。
2,のんびり過ごす
心を静かにしてのんびりすることもこの時間には大事です。
陰陽の気の転換期であるため、リラックスして心を静かにしていると身体の気血は陰陽の気を平衡に整える方向にいきます。
特に夏の季節は気温が高い為心火が上に上がりがちになりますので、この時間に少しでもリラックスして心を穏やかにして過ごすことを意識してみて下さい。