前回は呼吸が浅いと身体の中の濁気を排出できない、というお話をしました。
基本、緊張していたり、不安だったり、焦っていたり、ストレスを感じていると呼吸は浅くなって乱れてしまっています。
その時は心を静かにして気分をリラックスさせることを大事にしてください。
その上で、今回は呼吸を深くすることができる身体の調整方法、セルフケアを2つ紹介いたします。
横隔膜を柔らかくする。
呼吸が浅くなってしまう人に見られる傾向ですが横隔膜が固くなってしまっています。
ここをほぐしていくことで呼吸が楽になります。
↓横隔膜の解剖図、位置はこのようになっています。
呼吸の吸ったり、吐いたりする動作は横隔膜が上へあがる(吐く)、下へ下がる(吸う)ことで呼吸運動をしています。横隔膜が固くなってしまうと呼吸が浅くなり、ひどくなると肩で呼吸をすることになります。そうなるとエネルギーを余計に消耗してしまいます。
肋骨の中央部分から外側部分にかけて触れていきます。
指を肋骨下部に食い込ませながらマッサージをしていきます。柔らかくなるまで行って下さい。
また、冷えている際は温かくなるまで行って下さい。
やってみると緊張がほぐれていくのが分かると思いますのでお試し下さい。
丹田に気を集める呼吸をする
もう半年も前になりますが師に「治療者として一流になりたいのなら丹田で呼吸をするようにしなさい」と教えられました。
自分なりに練習をしてみましたが、雑念があると吸う・吐く行為が深くできません。
そこで太極拳や気功体操をやってみました。ゆっくりとした動作に合わせて呼吸をすることで深く・安定した丹田呼吸のコツをやっと理解することができました。
とはいえ、この丹田呼吸、太極拳や気功体操から理解するのでは時間がかかってしまいます…。
齋藤孝先生の書いた養生訓に良い方法が載っていたので紹介いたします。
意識を丹田に持っていきます。丹田の位置はここです。
鼻から3秒息を吸い、2秒丹田の中にぐっと留めて、十五秒かけて口から細くゆっくり息を吐いていきます。
「3・2・15」秒をワンセットにして6回ほど続けます。
15秒間吐くのが苦しい時は口すぼめ呼吸で吐くとよい、と記載されていました。
やってみると分かるのですが、下腹部が温かくなってきて徐々にリラックスした呼吸になってきます。
齋藤先生も色んな武術をやってきてこの方法を学んだそうです。
お手軽にできる方法ですので皆さんもぜひやってみて下さい。
参考文献:齋藤孝著 「図解 養生訓 ほどほどで長生きする」」