私が中国で滞在していた地域は広東省広州市で中国でも南に位置する場所でした。
地図で見ても分かる通り沖縄よりも南です。
亜熱帯の気候で1年の大半が真夏の気温です。広州の秋・冬は11月~2月の4か月間に凝縮されていて、この時期は気温の寒暖差がとても激しかったです。
引っ越して1年目は真夏の暑さ、冬の気温の寒暖差に気候に慣れず体調を崩しては治り、また崩すの繰り返しで…。それに当時はPM2.5の大気汚染も重なり、家族共々異国の地で身体を強くするのに1年もかかってしまいました。
中西医結合医療クリニックにいた時のチーフが言っていた話ですが、広東省は亜熱帯で気温・湿度が高いので細菌やウイルスが日本よりも種類が多くて強い、と教えてくれました。
きっと1年目は免疫系が弱りっぱなしだったのでしょう。
季節や自分の体質に合った養生が大切だと教えられたのは現地の中国人方々からでした。
娘を現地の幼稚園に入れていたので、同じクラスの保護者と話した時に「養生」が自分たちの健康に最も大事なこと、と教えられました。
我々日本人は風邪・病気になったら薬局で市販薬を買って飲む・病院に行って薬をもらう、という対応を取ります。
しかし、中国は人口が多いので「風邪・病気の時に病院なんて行ったら何時間も待たされて余計体調が悪くなるから絶対に行かない!」と中国人ママ友が言っていました。
中国の一般病院には数回行ったことがありますが入り口付近に人がたくさんいて、番号を呼ばれるのを何時間も立って待つ状態でした。
病人なのに体力を使いますね…。付き添いも大変だ…。そりゃ行きたくない。
中国人のママ友から教えてもらったことは、養生習慣を大事にして病気にかからないように「未病」を意識して生活する、ということでした。
では、どのようなことを習慣にしていたか。いくつか紹介いたします。
各家庭の薬膳スープ
中国の家庭にはそれぞれ親から教えられてきた薬膳スープのレシピがあって何か症状がでれば薬膳スープを飲んで養生する、と大半のママ友が教えてくれました。
薬膳スープの材料は生薬を使っていて、そこら辺のスーパー、薬局に普通に売られています。
また、スープに入れるお肉は骨付きのものです。
友人のお母さんの薬膳スープをご馳走になった時に簡単に作り方を教えてもらいました。
「圧力鍋を使って素材の味を引き出すように、余計な調味料は入れない」と言っていて、素材の味が活きたとても優しい味でした。
家に帰って教えられた通り作ってみたのですが、私は上手く作れませんでした…。なので調子が悪くなったら娘共々友人宅で薬膳スープをご馳走になってたのも良い思い出です。
昼寝の習慣
広州の中国人は昼寝に習慣がありました。
たいていの職場で昼寝が義務付けられていて1時~2時はお昼寝タイムに入る所もあります。
私がいた中医クリニックも昼食後は医師たちが率先してベッドを使って昼寝をしていました。
「何故?」と中医師に聞くと「身体の消化に気・エネルギーを使ってるから休まなきゃね~」と教えてくれました。
また、その当時言語交換をしていた中国人の学生に「何故日本企業は昼寝をしないで朝から晩まで働くんだ!?私は日本語話せるが日本の働き方はしたくない!」と言われたことがあります。
現地で広州の生活に溶け込むと分かるのですが日本とは違う、緩やかな時間の流れなのです。それに慣れて日本に一時帰国すると「何故日本人は皆焦っているのだ!?」と感じてしまうのです。
脱線してしまいましたが、食後の昼寝は養生の習慣に大事なものです。
気功をする
広州で朝に道を歩いていると広場で中高年が気功をしていました。
なんでも朝日を浴びながら気功体操をするのが良いそうで太極拳、八段锦といった気功を習慣にしています。
私も中国で習ってみたのですがやってみると身体も心もスッキリします。
気ってちゃんと流れて身体を調整しているんだな~と感じたものです。
それに 八段锦気功は新型コロナウイルス予防、重症化を防ぐ、として習慣化している中国人も多いそうです。
まとめると、中国人には中医の養生習慣が根付いていて、自分のペースを大事にしていて無理をしないことが根底にあります。
私は一応全部実践してみて、薬膳スープは上手く作れなかったですが昼寝や気功をする職場にいてのびのびと仕事と家庭を両立できたかな、と思っています。
振り返ると、日本で病院勤務の時は自分の事なんて振り返る暇もなく働いててよくイライラしていました。
余裕をもって自分の健康管理をするのは大事ですね。
今回大まかに3つ養生習慣を紹介させていただきましたが、他にも薬膳茶や広州の亜熱帯環境に慣れる養生方法もありますので後日書いていきたいと思います。
また、季節に合った養生方法もどんどん紹介していきますのでお楽しみに!