中国での体験

中医業界に入ったきっかけ

私が中医業界に入ったのは中国広州の国際医療クリニックでリハビリテーション業務に携わったのがきっかけです。

中国広州市で外国人を対象とした国際医療クリニックで医療スタッフも中国人、香港人、アメリカ人、フランス人、日本人で構成されている所でした。

スタッフは西洋医学、中国医学の2つに分かれていて私は西洋医学のリハビリテーション部門を担当。

外来で日本人駐在員とその家族の整形外科リハビリテーションを通しサポートをさせていただきました。

広州市は中国の南に位置しており夏の気候が続く、湿気が多い亜熱帯気候です。

このような気候に慣れていない日本人は体調不良がどうしても生じてしまいます。

私もでしたが、気候に適応できず頭痛に悩まれる方、虚弱体質となってしまった方、皮膚に湿疹が起きてしまう方、

何かしら身体のトラブルが起きていました。

ある時、頭痛、倦怠感がひどくなり中医理学療法専門の中国人おじいちゃん先生に治療をお願いすることにしました。

今思うと連日湿度が高い気候なので湿気が身体に溜まり不調を起こしていた、と分かるのですが、

その当時は中医のことも知らず訳の分からない体調不良に悩まされていました。

おじいちゃん先生は開口一番「中医の経絡を通せば不調は治る。任せなさい!」と自信満々に言ってくれました。

おじいちゃん先生のグリグリ全身中医経絡マッサージを40分ほど受けると…あら不思議!!

身体が軽くなり、頭痛も治まっていました。

びっくりして上司の中国人ドクターに「治ったよ!!」と報告しに行ったのを覚えています。

それから、おじいちゃん先生とよく話すようになりました。

おじいちゃん先生は中医の「養生」を大事にしていて

・自分の経絡を毎日通す

・その日の気候と体調に合わせて自分の薬膳茶をブレンドして作る

・患者を元気にするには自分が元気でないといけない

と、教えてくれました。

この3つは今の私の治療家としての習慣と心がけです。

本当にありがたい教えをいただきました。

おじいちゃん先生をきっかけに中医経絡に興味を持ち、

中国語の経絡が書かれた本を買っておじいちゃん先生に色々と教わりました。

あの時は(今もだけど…)外国人が話す下手っぴな中国語で……

おじいちゃん先生は会うたびにつきあってくれていました。感謝!!

あまりにも私が熱心だったのか、しつこかったのか分かりませんが、

おじいちゃん先生に

「そんなに中医学びたかったら広州中医薬大学に行ったら?外国人の留学も受け入れているよ」

と中医薬大学に行くことを勧めてくれました。

次回、広州中医薬大学に行った時の話も書きたいと思います。

ABOUT ME
中医セラピスト・伊藤
中医セラピスト・伊藤
作業療法士として脳外科のリハビリテーションに携わった後、中国に渡り中西医結合医療現場にて渡航医療のリハビリテーションに携わってきました。この経験をきっかけに中医科に興味を持ち、 広州市の邦里国際医療団に所属。中医師助手として老中医師から中医基礎・臨床を教わってきました。 5年間中国で経験を積ませてもらい、現在は栃木県宇都宮市で中医関連の仕事をしています。 本場中国で教わってきた脈診、陰陽五行理論を使った経絡治療を得意としています。 ブログは中国でお世話になった方々の支援を得ながら書かせていただいています。